2023.03.01
アブソリュート指令/インクリメンタル指令とは?
こんにちは!HILLTOP広報です🐼
今回は、
これからNCプログラムを扱いたい人向けに
『アブソリュート指令』と『インクリメンタル指令』って何?
この2つの違いは?
という話を書いていきます✏️
少しでも参考になれば幸いです!
■そもそも、何それ?
簡単に書くと、『マシニングセンタ』を動かすための
『NCプログラム』の中で使う指令方法です。
『NCプログラム』はxyzなどで位置を指令します。
その指令方法には2パターンあり、それが
①『アブソリュート指令』(絶対値指令)
② 『インクリメンタル指令』(増分値指令)
なのです。
①『アブソリュート指令』(絶対値指令)
原点(起点)を1つ決めて、そこから移動先までの数値を指令する方法です。
原点(起点)を設定すれば、どこにいても目的位置への座標数値の入力をすることで正確に動くことができます。
特定のタスクを正確に指示するために原点(起点)となる位置を設定し、そこからの位置を決める方式なので『絶対値指令』とも言われます。
Gコードの中では『G90』です。
例えば…
家から本屋へ行きたいとき、「家から1km先の本屋に行って」と言う。
本屋よりも遠いカフェに行きたいとき、「家から3km先のカフェに行って」と言う。
「1つの決めた位置から見て何km先の位置」という考え方で、
家という原点(起点)を1つ決めてそこからの距離を指示をする方式です。
② 『インクリメンタル指令』(増分値指令)
現在位置からどれだけ移動するかを指令する方法です。
現在位置からの移動距離を指定することで、目標位置を決定するために使用されるので『増分値指令』と言われています。
Gコードの中では『G91』です。
例えば…
家から本屋に行って、その後カフェに行くためには、
「家から1km先の本屋に行って」「本屋から2km先のカフェに行って」
とその道のりを言う。
「今いる位置から見て何km先の位置」という考え方で、
現在位置からの位置を指示する方式です。
■2つの指令の違いは?
『アブソリュート指令』はある特定の1点からの指示だけなので単純で分かりやすく、
切削工具の位置が把握しやすいです。
座標値の指令ミスがあった時でもその座標値のみを修正すればいいのが利点です。
ただ『インクリメンタル指令』に比べてNCプログラムが長くなることが欠点です。
『インクリメンタル指令』は繰り返し一定の位置に加工をしたり、
工具の位置が変わっても同じ動きをさせたいという場合や
『アブソリュート指令』をするプログラムの中で、
違う位置から全く同じ動作を繰り返したいときなどで便利です。
短くて簡単なので、簡単な形状に向いています。
一般的には『アブソリュート指令』が主流です。
HILLTOPでは5軸加工機を使っての切削加工を行なっており、
複雑な形状が多いため、全てのNCプログラムをCAD/CAMで作成していますが、
ほとんど『アブソリュート指令』を使用しています。
プログラマーと機械オペレーターは完全に分業しているので
他人のプログラムの把握がしやすいという利点もあります。
このように、加工方法によってうまく最適解を見つけて
使い分けできるととても良いですね!
お疲れさまでした!
ここまでお読みいただきありがとうございました🥰